補助金のご相談を頂いておりますと、やはり「何かいい補助金はないの?」という形で始まるケースが多いです。
ただ、ここには大きな3つの誤解が潜んでいる可能性があります。
補助金は申請すれば必ず貰えるもの
1つ目が「補助金は申請すれば必ず貰えるもの」という誤解です。
補助金はその申請内容、つまり「申請者が行おうとする事業」が、補助金の原資たる税金を投入するに適したものかどうかを判断しますので、厳格な審査を経て採択が決定されます。
そのため、決して申請すれば「必ず」採択されるという性質のものではありません。
補助金は簡単な書類を揃えれば申請できる
2つ目が「補助金は簡単な書類を揃えれば申請できる」という誤解です。
補助金申請はいわば採択を受けるための国や県に対するプレゼンです。
明確な事業計画を策定し、それを第三者たる審査機関へ理解して貰うためには文章による説得だけでなく図表、写真を用い、かつその計画が実現可能であることを様々なエビデンスを駆使して理解して貰う必要があります。しかもその計画は確実に実施されるものであることが前提で、結果を求められます。それだけボリュームを持った計画をまとめる必要があります。
採択されればすぐ入金される
3つ目が「採択されればすぐ入金される」という誤解です。
大前提として、補助金交付の前に自己資金や金融機関からの借入を原資として設備を購入するのは申請者たる企業です。補助金が交付されるのはそれらを完了した後ですので、つまり「立替払い」が原則なのです。
例えば、補助金を利用して製造設備を購入したいのであれば、補助金の交付申請を行って採択されたあとに一旦自社で設備を購入し、その後に補助金の交付を受ける、という流れになります。
補助金は事業計画に対して交付されるものです。
「補助金を貰うために何をするか考える」のではなく、「まずは事業計画があって、それに補助金が使えそう」という順番で考える必要があります。言い換えれば「補助金を受ける・受けないに関わらずやりたい事業計画がある」という思考が正しいと言えます。